フッ素系プリント基板用防湿コーティング剤とは
■ 1.プリント基板のその故障、湿気が原因かもしれません
「なぜか製品の不具合が多い・クレームが入る」──そんな経験はありませんか?
実は、電子機器トラブルの多くは"目に見えない湿気"が原因です。
プリント基板は、私たちが思っている以上にデリケート。
結露、湿気、塩分、腐食性ガス...これらがプリント基板に悪さをすると、回路のショートや断線、マイグレーションといった深刻な問題を引き起こします。
「屋内用途だから大丈夫」と思っていませんか?
温度差による結露は、空調の効いたオフィス機器でも発生する可能性はあります。
プリント基板に影響を与える主な要因としては、以下のようなものが挙げられます
・結露
・湿気
・塩分を含んだ潮風
・塵埃等の汚染物質の付着
・腐食性ガス(硫黄系ガス等)
・プリント基板に使用されている化学物質(リチウムイオン電池の電解液等)
そこで活躍するのが、プリント基板用防湿コーティング剤です。
プリント基板の表面に薄い樹脂の膜を作り、湿気や汚染物質から基板を守ります。
■ 2.基板防湿コーティング剤の必要性(なぜ使うのか)
なぜプリント基板に基板防湿コーティング剤が必要なのか?
その理由は、「目に見えないリスク」を先回りして抑え、製品トラブルを減らすためです。
① プリント基板を不具合の原因から保護。
湿気・結露・腐食性ガスなどは、プリント基板にとって非常に厄介な存在です。
防湿コーティングでプリント基板表面を保護をすることで
・結露
・湿気
・塩分を含んだ潮風
・塵埃等の汚染物質の付着
・腐食性ガス(硫黄系ガス等)
・プリント基板に使用されている化学物質(リチウムイオン電池電解液等)
これら環境要因からプリント基板を保護し、様々な環境でも安定してプリント基板が動作します。
②長期信頼性・製品寿命が向上する市場クレームの削減。
「防湿コーティング剤」と一口に言っても、実は種類がたくさんあります。
それぞれ得意・不得意があるので、用途に合わせて選ぶのが現実的です。
■ 3.防湿コーティング剤、どれを選べばいい?
① 有機溶剤系:安価で実績豊富だが、引火リスクがあり乾燥に時間がかかる。
安価で実績が多い、引火点があるため火災のリスクが高い、消防法危険物第4石油類の1石or2石に該当する場合が多く危険物保管管理が必要です。
乾燥が遅く連続生産には不向き、連続生産時には熱硬化炉を使用する場合が多い。(要強制乾燥)
・アクリル系・ポリウレタン系
従来から広く使用されている標準的な材料であり、コストや扱いやすさに優れる。一方で、高い防湿性を得るためには膜厚を厚くする必要があり、耐薬品性にも課題がある。
・シリコーン系
柔軟性が高く、温度変化によるクラックが発生しにくい。ただし水蒸気透過性が高く、防湿性能としては十分でない場合がある。
・オレフィン系
防湿性と柔軟性のバランスに優れるが、溶剤管理や難燃性の観点から使用条件に制約がある。
②無溶剤系:VOC規制対応。硬化は早いが、専用のUV照射設備が必要。
・UV系、シリコーン系
揮発性有機化合物(VOC)規制に非該当、UV硬化タイプであれば、硬化時間が短く量産性が高い。
ポットライフが短く、硬化工程に熱またはUV光照射が必要。
Aegis Coat コンフォーマルコーティング剤非フッ素系無溶剤UV硬化タイプ
③ 蒸着系:薄膜で高いカバー力、ただし大型設備が必要で量産には不向き。
・パラキシレン系
薄膜で電子部品等のカバーリング性が高い(水没対策向き)
処理に大型の設備が必要、処理時間が長く、処理枚数も少なく、通電部分等のマスキング等も必要で量産性は悪い。
そして今、注目を集めているのが──
④ フッ素溶剤系:消防法の非危険物! 取扱いが容易!
乾燥が早く(常温で乾燥)、作業工程が短い
他の防湿コーティング剤と比べ高価、厚膜化には不向き
Aegis Coat コンフォーマルコーティング剤フッ素系速乾型不燃性タイプ
Aegis Coat コンフォーマルコーティング剤非フッ素系速乾型不燃性タイプ
■ 4.なぜ、フッ素系が選ばれるのか
フッ素系防湿コーティング剤の最大の特長は、「薄くても守れる」こと。
高い撥水性と防湿性により、薄い膜でも十分な保護効果を発揮します。
膜が薄いので、軽量化しやすく、放熱の邪魔になりにくい点もメリットです。
さらに、こんな強みも。
① 高い撥水性・防湿性
高い撥水性・防湿性を有しており、水滴や結露の付着や湿気の透過を抑制し、プリント基板を結露・湿気から保護する。
これによりプリント基板の腐食や絶縁劣化のリスクを低減でき、薄い膜厚でも十分な効果を得ることができる。
その結果、軽量化や放熱性確保といった設計上のメリットが得られる。
②耐マイグレーション性... 結露環境でもマイグレーションを抑制
塩水滴下環境下、電圧印加状態においても腐食やマイグレーションの発生を抑制します。
③耐腐食性... 塩害による金属腐食を抑制
塩害環境に対して高い耐性を示し、金属部品の腐食や劣化を防止する。

④耐硫化性... 硫化ガスから銅・銀メッキを保護
硫化ガスに対して高い耐性を示し、銅や銀メッキの硫化を防止する。
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⑤ 耐熱衝撃性... 急激な温度変化でもクラックが発生しにくい
急激な温度変化に対してもクラックが発生しにくく、長期間にわたって安定した性能を維持できます。
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⑥透明性... 光学部品にも使える
透明な皮膜を形成するため、光学部品への影響が少ない。
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⑦ 作業性・安全性... 非引火性溶剤を使用、常温乾燥OK
非引火性の溶剤を使用した製品であり、安全性が高い。さらに常温乾燥が可能であり、設備負担が少なく作業効率の向上にも寄与する。
「性能は高いけど、扱いにくいのでは...」という心配もご無用。常温で乾燥でき、特別な設備投資なしで導入できます。
■ 5.まとめ:信頼性を求めるなら、フッ素系という選択
電子機器の小型化・高密度化が進む今、基板保護の重要性はますます高まっています。
フッ素系コーティング剤は、
・高い防湿性
・優れた耐環境性(腐食・硫化・熱衝撃)
・薄膜でも高性能
・安全で扱いやすい
という特長を持ち、過酷な環境や高い信頼性が求められる製品に最適です。
「うちの製品にも使えるかな?」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
■6. 採用事例:フッ素系防湿コーティングの導入実績
フッ素系防湿コーティング剤は、さまざまな分野で採用されています。
● 車載電子機器(ECU・センサー類・カーナビ)
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車載電子機器の厳しい温湿度環境において、薄膜で安定した防湿性能を発揮。
● 産業用機器(屋外・冷蔵庫LED基板・工場用シーケンサ基板)
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温度差による結露が発生しやすい環境でも、優れた撥水性で基板を長期間保護。
硫化ガスによるLED電極や銅配線の硫化・腐食も防止。
● 民生用機器(屋外の住宅設備・バッテリー基板・バックライトユニット)
日常的な湿気や温度変化にさらされる機器でも、薄膜で信頼性を確保。
結露対策に優れ、耐薬品性によりバッテリー液漏れからも基板を保護。
● PC・モバイル機器(パソコンのマザーボード基板・スマートフォン・イヤフォン)
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