基板防湿コーティング剤の塗布方法― 防湿性能を引き出すには材料と塗り方の相性が大事 ―
■ 1.なぜ今、基板防湿コーティングが重要なのか
電子機器の高性能化・小型化に伴い、プリント基板はこれまで以上に様々な環境で使用されるようになっています。
特に問題となるのが、
・湿気
・結露
・腐食性ガス
といった外的要因です。
これらは絶縁不良や短絡、腐食といった不具合の原因となり、製品の信頼性を大きく左右します。
こうした課題への対策として広く採用されているのが、プリント基板用防湿コーティング(コンフォーマルコーティング)です。
プリント基板表面に薄い樹脂膜を形成することで、外部環境からプリント基板を保護する重要な技術です。
■ 2.防湿性能は「材料」だけでは決まらない
プリント基板防湿コーティングには、フッ素系やUV硬化型など様々なコーティング剤があります。
※詳細は、「コンフォーマルコーティング剤とは」を参照ください。
例えばフッ素系は、
・高い防湿性
・優れた耐久性
・常温乾燥による扱いやすさ
といった特長から、近年多くの電子基板で採用されています。
しかし、現場ではこんな課題がよく発生します。
・同じ材料なのに品質が安定しない
・ロットごとに仕上がりが違う
・量産時の塗布量バラツキが多い
この原因はシンプルです。
★ 基板防湿コーティングは「材料」と「塗布方法」の組み合わせで成立する技術だからです。
どれだけ優れたコーティング剤でも、塗布方法や条件が合っていなければ、本来の性能は発揮されません。
■ 3.基板防湿コーティング剤の主な塗布方法
コーティングの品質や生産性は、塗布方法の選び方によって大きく変わります。
① ディスペンサー塗布
現在のプリント基板用防湿コーティング(コンフォーマルコーティング)で主流となっているのが、ディスペンサーによる自動塗布です。
ロボット制御により、必要な箇所へ高精度でコーティング剤を吐出します。
![]()
特長
・塗布量のばらつきが少ない
・ピンポイント塗布が可能
・再現性が高く量産に適する
特に高密度プリント基板や車載用途など、品質要求の高い分野で広く採用されています。
★ポイントは「ディスペンサーに合った基板防湿コーティング剤」
ディスペンサー塗布では、装置性能とともに
・吐出性
・粘度
・レベリング性(広がり方)
・乾燥特性
といった基板防湿コーティング剤の液剤特性が品質を大きく左右します。
つまりディスペンサーに適した基板防湿コーティング剤を選ぶことが重要です。
★ AegisCoatの特徴|ディスペンサー前提の材料設計
ここが大きなポイントですが、
野田スクリーンでは
ディスペンサー塗布を前提にコーティング剤を開発しています。
その代表例が当社製品のAegisCoat WOP-025シリーズです。
WOP-025シリーズは、
・安定した吐出性
・均一な膜形成
・高い防湿性能
を実現するよう設計されており、「塗布工程まで含めて成立する材料」になっています。
★ ディスペンサー塗布は"連携で最適化"するもの
・装置仕様
・ノズル選定
・各種条件の制御
といった装置側の要素も多く関係します。
これらはディスペンサーメーカーのノウハウに依存する領域です。
そのため野田スクリーンでは、
ディスペンサーメーカーと連携しながら塗布条件を提案しています。
② ディッピング(浸漬)
プリント基板を防湿コーティング液に浸漬する方法です。

特長
・プリント基板全面(両面)を均一にコーティングできる。
注意点
・マスキングが必要
・コーティング剤が不要なエリアにも塗布されてしまいます。
★プリント基板全面(両面)を保護したい場合に有効です。
③ スプレー塗布(エアゾール缶・スプレーガン)
エアゾール缶やスプレーガンなどで塗布する方法です。
![]()